まずは洋書から。
ついこの間読み終えた本。2006年ノーベル文学賞を受賞したOrhan Pamukの"snow"。暗くて陰鬱な感じだけれど、どこか心に共鳴するところがある政治小説。
「幸せになろう」―確かめるように何度も耳元で囁いて、そう願い続けて、なのに結局幸せになれなかった…。そんな、哀しくて深いお話でした。
今読んでいるのは、英会話の先生に借りた"snow crash"。スラングが多くて非常に読みにくいけれど、テンポはいい感じです。まだ読み始めたばかりなので、どんな話か分かんないけど…。
続いて邦書。
お気に入りの作家、本多孝好さんの『FINE DAYS』。短編集で、過去と現在との記憶を行き来する「イエスタデイズ」が、優しくて、哀しくて、心に残りました。
『真夜中の5分前-side A-』、『真夜中の五分前-side B-』は、恋人を失った「僕」が主人公なんやけど、その悲しみだとかつらさだとかよりも、「“自分”って何?」というアイデンティティへの疑問のほうが色濃く描かれているように思えて、しっとりと胸に響きました。
ずっと読みたかった、重松清さんの『流星ワゴン』。死んでもいいと思ったそのとき、ふと現れた2人の親子。過去をやり直せたら、どうする?過去に戻って、その瞬間をもう一度体験するなら、どうする?どうすればいい?―切なくて、寂しくて、でも、最後に残ったのは『愛』なのかなって、そんな風に思える小説でした。4時間で一気に読んじゃった。ほんとによかったです。
小川洋子さんの『博士の愛した数式』。映画は見てないけど、静かな、穏やかな小説でした。感動とか、お涙頂戴のお話ではなくて、ただ、ある人間の生き様を言葉でつづったような、そんなお話でした。
『偶然の祝福』は、私が小説の世界に求めていたのとはちょっと違って、なんとなくブルーになっただけで終わってしまった…。うーん。
人それぞれ、どんな小説が好きとか嫌いとかってあると思うけれど、私の好きな小説は、「リアルで、でも非現実的で、読むと少しだけ現実逃避ができて、でもちゃんと現実に戻ってこられる」ものなのかなと最近思うようになりました。悩んだり、悲しんだり、恋わずらいや恐れ、憎しみ…そういう生きている人間の感情を、静かに、むしろ淡々と書き綴った小説がいい。ハッピーエンドなら、ほっとする。そうじゃなくてもいい。ただ、「あぁ、私は今、こういう気持ちなんだ」って、ちゃんと自分の気持ちに納得する主人公がいてくれればいい。読んだ後に、なんとなく余韻が残って、自分の気持ちを確かめるように、ふっと物思いにふけることができる小説がいい。本を閉じて、思い起こす人はさまざまで、―家族だったり友達だったり恋人だったり会社の同僚だったり、今日駅ですれ違ったおばさんだったりするけれど、その人の人生を想い、自分の人生を想い、悲しいからじゃなく、不幸だからでもなく、ただ静かに涙を流せる小説がいい。
最近ミステリーとか推理小説とか読まなくなったなぁって思う。嫌いなわけじゃないけど、誰かが死んで、故人ではなく“死に方”にスポットが当てられて、みんな謎解きに躍起になって、でも、ねぇ、その死んじゃった人の人生は、どうだったの?その人が死んで、ねぇ、他の人の心はどう影響を受けたの?そういうことは誰も気にしない、そんなストーリー展開に、ちょっと疲れたのかもしれない。
いや、アタマを使うのが嫌なだけかも…。うーん。
今読んでるのは、姫野カオルコさんの『蕎麦屋の恋』。読み終わった後、私は何を思うのかな。
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長い長い研修がやっと終わって8月から関東圏に定住しました。最近本配属先になれてきたところ。
研修中は私も本を読みまくったよ。おかげで本棚に入りきらなくなった。
かずみちゃんの本棚、いっかい見てみたいなあ。人のいえの本棚って、その人の趣味ずばりだからすごく面白いと思う。
私の本棚…マニアックやで(笑)。小説とかは、繰り返して読みたいものでない限り、読んだら売ってまた買うって感じやしなぁ…。私もふmちゃんの本棚見てみたい!